【自分思考 / 山口絵理子】

ベストセラー『裸でも生きる』の著者の続作。
経歴を見ても、過去の体験を知っても、
パワフルな印象を受ける著者。
情熱大陸にも出ている。

ベストセラーを世に出して、彼女に寄せられたたくさんの読者・関係者からの質問に嘘偽りなく答えている文体が印象的。
テーマは「やりたいことを見つける」ような打ち出しだけど、どちらかという彼女の体験を追っているうちに、自分の過去経験を追憶して気付いたら思考をさせられる。
良質な本の定義は色々とあるんだろうけど、
思わずというか意識しないうちに思わず思考を繰り返してしまうような本が、自分にとっての良書なんだと思う。
そういう意味では、かなりと、色々と考えるところがあった。笑

本の中に出てきた、「ビジネスで本当に大事なのはパッションだ。」という言葉が刺激的だった。
話が少し変わる。
先日お会いした熊本発アパレルベンチャーの起業家の方も同じことを言っていた。
ビジネスで大事なのは、TAP(タップ)だと。
タップは、その理念とするところの頭文字をとったもので。
Think & Action & Passion。
ビジネスをやりきるのに最後に必要な要素とは情熱だと。淡々とした口調ながら熱く語られた。笑
なるほど、と。
何か社会の問題を解決することをビジネスとして成功させようとしている人たちに共通しているのはこのパッションなのかと。
そんなことをはたと思い出した。

この著者も僕と歳がほとんど変わらない(といっても10個は歳が上なのだが)、こんなに力強く、想いが溢れ、人間性が滲み出ている人に強く憧れる。

彼女の言葉で特に好きな言葉があった。

「原体験を振り返り、現状に疑問を持ち、とことん悩みながら、アクションを通して試行錯誤し、主観を作り上げ、それで最後に主観の中から出てきた自分の役割を決める。もちろん先輩たちからのアドバイスも、家族の意見も、友人の助言も最高に大事だと思う。けれど、自分のレイヤーと他人のレイヤーを異なるところに位置させた方がブレない自分を形成できると思う。心の奥底にある自分のレイヤーで、最後は意思決定をすることが「覚悟」を生み、しんどい状況でもなんとか踏ん張る力をくれるように思う。」

もう1つ、プロローグに出てくる内容。

この本は、ある起業家の変化の中の感じたことを正直に書いているものだということ。
夢が見つかった!と思って走り出した一人の起業家がぶちあたった悩みとそれをどのように考え、どんな気持ちでさらに一歩を進めたのか。


やりたいことを見つけるためには、これ!という方法論は一切出てこない。

出てこないからこそ、自分に置き換えて思考させられる、そんな本でした。

これでまだ35歳かよーと凹ませられる。笑
著名人でも身近な人でも、バックボーンと人生観みたいなものは、どれほど見ても聞いても飽きないな、と思う。